Happy City [Books]
徒歩圏内で買物、クリーニング、レストラン、更にコミュニティセンターと生活に関わるものが全てまかなえるとしたら?
東京に住んでいた頃は当たり前のように全てが徒歩または自転車圏内で済ますことができた生活からバンクーバー郊外に住み初めて数日後何とも言えない焦燥感に襲われたのを今でもはっきり覚えています。
その理由は「殆ど人とすれ違わない」というショック。約1300万人が暮らす東京とバンクーバー近郊全て合わせても250万人しかいない場所と比較するのも何ですが、車社会ということも大きな理由。
Charles Montgomery著 Happy City - transforming our lives through urban design
都市デザインを通じた暮らし方の変貌
アメリカンドリームと言えば、大きな家、1人1台の車、というような大きさを重視したもの。ところが実際はゲストが1度も訪れたことのないゲストルーム、4ベッドルームの家に孤独な1人暮らし。毎日片道2時間のドライブのハイウェイ通勤で疲労困憊。通勤時間が長ければ長いほど離婚率が上がるというデータもあるのです。
車社会の落とし穴でもある徒歩または公共交通手段の欠落も指摘されています。著者はコロンビアの首都ボゴダ、コペンハーゲン等を例に挙げ、車を排除し自転車で人々が行き来できる通りを紹介。更に近年ではパリでもレンタル自転車利用が始まった例も。
世界1住みやすい都市として上げられているバンクーバー、住居費はうなぎのぼりで実際に住むのはかなりの富裕層でないと難しい都市でもあるけれど、著者は中心より少し外れたCommercial Drive住まい。徒歩圏内で生活に関わる殆どがまかなえる場所なのです。
人々が幸せを感じる場所とは、安全で、騒音も少なく、夜も適度に明るく、公害もなく、緑が多く、公共スペースがある場所。
残念ながらアジアの都市は例に上がっていません。東京の通勤地獄やインド・ムンバイの道を歩くのも必死な混雑具合はhappy city には当てはまらないですね。
どこに、どのように住むかは人々の選択。その中には当然収入からまかなえるだけの費用であること。車がなければその分節約でき、4ベッドルームから1ベッドルームに引っ越せば更に余裕が出来ます。
幸福のあり方とは人によって違うけれど、住む都市もその大きな一部であるということ。
「狭いながらも楽しい我家」というフレーズがあるけれど、かなり的をついています。
2014-06-16 18:00
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コメント(4)
東京に私も住んでいたけれど、パリでさえ、やはり東京のようにはいかないもの。便利さや安全と言う意味で。
狭さはもうこれは仕方ないし、でも結局は自分が心地良いかどうか、、、それに尽きますね。
私は通勤にはメトロですが、休日は貸し自転車も使わず、出来れば歩くようにしています。
by ラパン (2014-06-17 16:46)
私のここ数年の住居選び。
駅近(通勤や活動エリアへのアクセス便利)、徒歩圏内(10分くらい)にコンビニ、スーパー、クリーニング、スポーツクラブ、公園があるロケーション。もう、家賃は娯楽費の一部だと割り切ってます(笑)
by いっこ (2014-06-17 22:43)
ラパンさん
歩ける街は安全な証拠ですね。今の私の住むアパート近辺、暗い夕方にはなるべく歩かないようにしています。涙
心地よさと便利さ、そして自分の収入でまかなえる場所か…この本を読んでからあれこれと考えています。
by cecileyvr (2014-06-18 11:04)
いっこさん
location, location! よね、やっぱり。
スカイトレイン+バス約1時間の通勤はやっぱり長いわ~。でももっと通勤時間が長い人々もいるものね。は~。
by cecileyvr (2014-06-18 11:05)